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  ■■■ 木&看板の話 8 「欅(ケヤキ)のこと ■■■

  
           ■木&看板の話 8 「欅(ケヤキ)のこと」■

            

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 年間百数十点の無垢看板を作っていますが、その中で6〜7割はケヤキを素材にした看板です。その次に、クスノキ・ヒノキ・サクラなどの素材が続きます。
 ケヤキは仕上がりの美しさ、耐久性など総合的に判断して看板素材に一番向いており、HPでも一番多くアップしている素材です。
 今回はそんなケヤキについての話です。

 

名前について
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 学名は「Zelkova serrata」、ちなみに英語名は「Japanese zelkova」と言い、欧米には分布していないようです。ニレ科ケヤキ属の落葉高木樹です。
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 日本名は、欅(ケヤキ)の他に「槻(ツキ)」という呼び名もあり、一口にケヤキと言っても、産地などによって微妙に異なります。やや青味がかった(白っぽい)ものを「アオゲヤキ」と称し、「本ケヤキ」と区別することもあるようです。
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 また、ケヤキの呼び名は、木目が美しいところから「異(け)やけき=他のものより目立っている」→「けやき」となったとのことです。
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分布
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 日本の本州・四国・九州、及び朝鮮半島など東アジアの一部に分布しています。暖かい地方では主に丘陵・山地に自生、寒冷地では平地まで自生しています。
 最近では公園・街路樹として多く植栽され、「・・・ケヤキ通り」という通り名も数多くあります。ケヤキは日本人には親しみのある木であると共に、世界に誇れる日本特有の銘木です。

 

神戸市自宅近くのケヤキ街路樹

ケヤキの幹(径30cmほど)

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樹形
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  針葉樹は縦にまっすぐ伸びる樹形が多いのですが、広葉樹は一般的に横に広がるような樹形になります。ケヤキも2〜3mの幹上の枝葉は扇方の美しい樹形になり、それが街路樹として多く植栽されている一番の理由でしょう。
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 個人的には数ある樹木の中で、欅の樹形が一番気に入っています。個体によっても樹形は変わりますが、時として小股の切れ上がった粋な美人を思わせるケヤキと出会うところがあります。秋になると、その葉黄色から赤にかけてさまざまの色に紅葉し、落葉します。落葉して幹と枝だけになったきゃきの樹形も趣のあります。
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 ところで、「欅」という漢字はケヤキの樹形から作られたという説があるそうです。何となく分かるような気もしますが、ホントかな?という気がしないでもないです。
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ケヤキ一枚板の色合い・木目・性質など
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 下の写真4枚はすべてケヤキ板材です。個体によって色合いは淡黄色から黄褐色までさまざまですが、木目は共通して鮮明です。

白太と赤身が鮮明なケヤキ材

淡黄色ケヤキ材

赤味の強いケヤキ材

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縮み杢(ちぢみもく)が出ているケヤキ材

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 木目の特殊な紋様として杢(もく)があり、ケヤキは上写真の「縮み杢」の他にも美しい杢が現れる材です。下記のページでさまざまな杢の画像を見ることができます。
 ⇒ 杢の種類と魅惑−樹木の内なる美
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  材質は硬くて、耐湿・耐久性にすぐれ、広葉樹の中では最も質の高い良材とされています。心材(白太)と辺材(赤身)は一般的に明瞭で、心材は黄褐色、辺材は淡黄色、研磨により光沢のある質感になります。
 反面、材質が緻密なため、反りなどの狂いや暴れが収まるまでに相当の乾燥時間を要します。 
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用途
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 古くからヒノキ(桧)と共に寺社仏閣の建築用材として用いられてきました。ただ強硬な材質と狂いが収まるまでに時間を要するケヤキは、加工・扱いが難しく大工泣かせだったようです。
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 摩耗にも強い性質と木目や光沢が美しい質感を活かして、家具・建具(注1)などの指物(注2)にも使われています。
 注1:建具=開け閉めすることのできる可動性の障子・襖・窓・戸などの総称
 注2:指物=などを使わずに、木と木を組み合わせて作られた伝統工芸の家具、
         建具、調度品などの総称
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ケヤキの巨樹
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○東根(ひがしね)の大ケヤキ
  山形県東根市の東根小学校校庭にある樹齢1500年(300年以上との説も)と推定され、国の特別天然記念物指定を受けている唯一のケヤキ巨樹です。
 ⇒ 「東根の大ケヤキ」
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○野間(のま)の大ケヤキ
 大阪府能勢町にあるケヤキ巨樹です。太い幹と八方に広がるケヤキ独特の樹形は迫力と気品があります。
 ⇒ 「野間の大ケヤキ」
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○天使のケヤキ
 福島県天子神社の「天使のケヤキ」と名付けられた古樹ケヤキです。幹の半分ほどが朽ちかけてはいるものの、二股に分かれて拡がるその樹形は凛とした気品を感じさせます。
 ⇒ 「天使のケヤキ」
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後書き
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 ケヤキについてさまざまな視点から書いてきましたが、最近気になることが一つあります。それは、以前に比べてケヤキの供給、特に大型のもの(幅が600mm超)は手に入りにくくなってきていることです。針葉樹のスギやヒノキのように人工林として植栽されているケヤキはごくわずかで、ほとんどが散在している自生のケヤキを供給源としているのが現状です。
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 材として使えるようになるまでに100年程度の生育期間を要する大型のケヤキは、近い将来枯渇するのではとの危惧を抱いています。
 他方、街路樹や公園などに植栽されているケヤキは増えつつあります。これらが大木に成長した時には、材として活用をしては・・・などと考えるのは、ケヤキにこだわる看板屋の自分勝手な見方でしょうか・・・。

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